犬の涙やけ対策におすすめのドッグフード完全ガイド
愛犬の目元に赤茶色の汚れができる「涙やけ」。その原因の多くは、実は日々の食事にあるかもしれません。本記事では、涙やけの仕組みや主な原因を解説し、改善に効果的なドッグフードの選び方、犬種や年齢別の対策、手作り食やサプリの活用法まで詳しく紹介します。健やかな毎日を支えるための情報をお届けします。
はじめに:愛犬の涙やけ、原因はフードかも?
飼い主が抱える涙やけの悩み
愛犬の目のまわりが赤茶色く汚れてしまう「涙やけ」にお困りの飼い主さまは少なくありません。特に白毛や薄いクリーム色の犬種では目立ちやすく、見た目の清潔感にも影響します。「しっかりケアしているはずなのに改善しない」「目薬を試しても再発してしまう」といった声も多く、涙やけは思った以上に根深い悩みです。
涙やけは病気そのものではないものの、慢性的に続くことで皮膚の炎症や感染症のリスクが高まります。そのため、見た目の問題だけでなく健康上の懸念も含んでいるのです。愛犬にいつまでも健康で快適に過ごしてもらうためにも、涙やけの原因と対策を正しく理解し、日常的なケアと食事を見直すことが重要です。
ドッグフードと涙やけの関係性
涙やけの対策として注目されているのが、ドッグフードの見直しです。実際に「フードを変えたら涙やけが改善された」という口コミや体験談も多数存在します。では、なぜフードが涙やけに影響するのでしょうか?
その答えは、愛犬の体質や消化機能、アレルギー体質などに深く関わっています。質の悪い原材料やアレルゲンとなる成分が含まれるフードを食べ続けることで、老廃物や炎症物質が体内に蓄積され、それが涙として排出される際に、目のまわりの毛を変色させてしまうのです。
また、腸内環境の悪化や消化不良も涙やけを引き起こす要因のひとつです。つまり、毎日口にするフードの質を見直すことで、体の内側から涙やけを改善・予防することが可能なのです。
犬の涙やけとは?主な原因とその仕組み
涙やけとはどんな症状か?
涙やけとは、涙が目の外へ過剰に流れ出し、その涙が目の下の被毛や皮膚を濡らして、赤茶色や黒ずんだ汚れとなって残る症状のことを指します。特に涙が溢れやすい小型犬や短頭種に多く見られます。
涙には本来、酸素や栄養を角膜へ運ぶ重要な役割がありますが、その排出がうまくいかないことで目のまわりに常に湿気が残り、バクテリアが繁殖しやすい環境をつくります。これが変色や悪臭、皮膚炎の原因となり、いわゆる「涙やけ」として現れるのです。
鼻涙管閉塞・眼瞼内反症などの構造的要因
涙やけの原因のひとつに、目と鼻をつなぐ「鼻涙管(びるいかん)」の詰まりがあります。この管が狭かったり閉塞していると、涙が鼻に流れずに目からあふれ出てしまいます。この状態が続くと涙やけのリスクが大幅に高まります。
また、眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)というまぶたが内側にめくれる先天的な疾患も涙やけの原因のひとつです。まつ毛や毛が角膜に触れて刺激を与え、涙の分泌量が過剰になるためです。こういった解剖学的な問題を持つ犬は、涙やけが慢性化しやすく、獣医師の診察による根本的な治療が求められます。
アレルギーや環境要因による影響
近年、犬のアレルギーが涙やけと密接に関係していることが明らかになっています。花粉、ハウスダスト、ノミ・ダニなどの外部刺激はもちろん、食べ物に含まれる特定のタンパク質(例:牛肉・鶏肉・小麦など)に対するアレルギーが涙の過剰分泌を引き起こすケースも多いです。
また、室内の乾燥や空気中の化学物質も涙やけの要因になります。これらは一見関係なさそうに思えますが、目や鼻に刺激を与え、涙の排出機能に影響を及ぼすのです。
食事と消化不良・添加物の関係
涙やけに悩む犬の多くは、消化機能がうまく働いていない、あるいは腸内環境が乱れている可能性があります。特に、トウモロコシ・小麦・大豆などの穀物が多く含まれるフードや、安価な肉副産物を使ったフードは、犬の体に負担をかけやすく、老廃物として涙に混ざって排出されやすくなります。
また、人工着色料・香料・保存料などの添加物も、体内で分解しづらく蓄積しやすいため、涙やけの原因となり得ます。こうした成分を避け、消化吸収のよいフードを選ぶことが、涙やけ対策には非常に重要です。
さらに「犬 涙やけ」の詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
涙やけ対策フードの選び方:6つの重要ポイント
① 良質な動物性たんぱく質が主原料
涙やけ対策として最も基本かつ効果的なフードの選び方は、主原料に「良質な動物性たんぱく質」が使用されているかを確認することです。犬は本来、肉食に近い雑食性の動物であり、肉や魚から得られる動物性たんぱく質を効率よく消化吸収できます。
「チキン」「ラム」「サーモン」など、原材料表記の最初に具体的な肉や魚の名前が記載されているドッグフードは、たんぱく質源が明確で信頼性が高い傾向にあります。一方で、「肉類」や「動物性油脂」などの曖昧な記載は、低品質な副産物を含む可能性があり、体に余計な負担をかけてしまうため注意が必要です。
良質なたんぱく質は筋肉や毛並みの健康維持にも欠かせません。涙やけに加え、皮膚トラブルや被毛のパサつきが気になる場合にも、原材料を見直すことは非常に有効です。
② アレルゲン除去:グルテン・小麦・乳製品など
涙やけの原因のひとつに「食物アレルギー」があります。小麦・乳製品・牛肉・大豆などはアレルゲンになりやすい食材として知られており、これらの成分を含むフードを摂取することで、目や鼻まわりに炎症を起こし、涙が過剰に分泌されてしまうことがあります。
アレルギーを起こしやすい成分を避けるためには、「グレインフリー(穀物不使用)」や「グルテンフリー(小麦不使用)」のドッグフードを選ぶとよいでしょう。また、単一たんぱく質(シングルプロテイン)を使用しているフードは、アレルゲンを特定しやすく、フードローテーションを組む際にも便利です。
涙やけが慢性化している愛犬には、まずアレルゲンとなりやすい食材を排除し、体質に合ったフードを試すことで、体の内側から症状の軽減を図ることができます。
③ 乳酸菌・オリゴ糖による腸内環境の整備
腸内環境の乱れは、涙やけの隠れた原因として見逃せません。腸内のバランスが悪化すると、老廃物や毒素の排出がうまくいかず、それが涙に含まれて目の周りを刺激してしまうのです。
そこで注目されているのが「乳酸菌」や「オリゴ糖」といった腸活成分を含むドッグフードです。これらの成分は腸内の善玉菌を増やし、便通を整えることで老廃物の排出をサポートし、涙の質を健康な状態へと導いてくれます。
また、ビール酵母・イヌリン・フラクトオリゴ糖などが含まれている製品も腸内環境の改善に有効とされています。特に体臭や口臭が強く、うんちがゆるい、量が多いなどの兆候がある愛犬には、腸を整えるフードを選ぶことが涙やけの改善につながる可能性が高いです。
④ 不要な人工添加物を避ける
涙やけに悩む犬にとって、フードに含まれる人工添加物は見過ごせないポイントです。特に、香料、着色料、保存料、甘味料などの合成添加物は、消化器官や肝臓に負担をかけ、体内に老廃物として蓄積されることで涙に影響を与える可能性があります。
たとえば、「赤色○号」「黄色○号」「ソルビトール」などの表示がある場合は、人工的に色や味を加えている証拠です。これらの成分は犬にとって必要のないものであり、むしろ腸内環境の悪化やアレルギーを引き起こすリスクもあるため、なるべく避けるのが望ましいでしょう。
近年では「完全無添加」や「天然由来成分のみ使用」と明記されたフードも増えてきており、安心して与えられる選択肢が増えています。涙やけを改善するには、こうした無駄な添加物を含まない、ナチュラル志向のフードを選ぶことが重要です。
⑤ オメガ3・抗酸化栄養素を含む構成
涙やけ対策に効果的な栄養素として、オメガ3脂肪酸や抗酸化成分が注目されています。オメガ3脂肪酸は、サーモンオイルや亜麻仁油、チアシードなどに多く含まれ、炎症を抑える作用があることで知られています。
犬の体内ではオメガ3を合成できないため、食事からの摂取が必要です。涙やけは目元や皮膚の炎症が原因となっているケースも多いため、オメガ3を含むドッグフードは、目のまわりの炎症を緩和し、健康な涙の分泌をサポートしてくれます。
また、抗酸化作用のあるビタミンC・E、ポリフェノール、ルテイン、アスタキサンチンなどもおすすめです。これらは老廃物の蓄積を防ぎ、皮膚や被毛の健康維持に役立ちます。トマト、ブルーベリー、かぼちゃ、ブロッコリーなどが原材料に含まれていれば、それらの栄養素が摂取できる可能性が高いでしょう。
⑥ 年齢・体重・活動量別の栄養設計
涙やけ対策としてフードを選ぶ際には、栄養バランスが愛犬の年齢や体重、ライフスタイルに合っているかどうかも確認しましょう。子犬、成犬、シニア犬では必要なエネルギー量や栄養素が異なります。
たとえば、成長期の子犬にはたんぱく質や脂質が多めの高エネルギーフードが必要ですが、シニア犬ではカロリーと脂肪を控えめにしながらも、消化吸収のよい設計で内臓への負担を軽減する必要があります。こうした栄養設計が合っていないと、腸内に負担がかかり、涙やけの原因にもつながってしまうのです。
また、運動量が少ない室内犬と、よく走るアクティブな犬でも理想的なフードは異なります。脂質やカロリーが高すぎると肥満の原因になり、それが炎症や涙の質の変化にも影響を与えかねません。涙やけ対策は、単なるフードの成分だけでなく、愛犬の体質やライフスタイルに合わせたトータルケアが鍵になります。
犬種別・年齢別の涙やけ対策フードの選び方
トイプードル・チワワ・マルチーズなど小型犬
トイプードル、チワワ、マルチーズといった小型犬は、涙やけが特に目立ちやすい犬種として知られています。これらの犬種は目が大きく、涙が溢れやすい顔の構造をしているため、鼻涙管が詰まりやすいという特徴があります。
そのため、小型犬用に設計されたフードを選ぶことが重要です。粒のサイズが小さく、消化吸収がよく、腸内環境を整える成分が含まれているものが理想です。また、体が小さい分、少量の添加物でも体への影響が大きくなるため、より無添加・ナチュラルなフードを意識して選びたいところです。
特にマルチーズや白毛犬は、涙やけの変色が毛に目立ちやすいため、予防的な意味でも日常的に腸内ケアとアレルゲン除去を意識したフードを継続することが大切です。
子犬(パピー)の成長と涙やけ対策
子犬は成長の過程で体内の機能がまだ完全に整っていないため、涙やけを起こしやすい時期でもあります。特に免疫機能や消化機能が未熟であることから、食事による影響を受けやすく、フード選びには細心の注意が必要です。
この時期に与えるフードは、高品質なたんぱく質や脂肪を適度に含み、消化しやすく設計されたものを選ぶことが基本です。また、アレルギーの発症リスクが高まるタイミングでもあるため、可能であれば単一たんぱく源のシンプルなフードを試し、体に合わない食材を避けることが望ましいでしょう。
子犬用の涙やけ対策フードでは、乳酸菌やオリゴ糖などの腸内環境を整える成分が含まれているものがおすすめです。腸の働きを活性化することで老廃物の排出が促され、涙の質が改善される可能性が高まります。食事の管理をしっかり行うことで、成犬になってからの涙やけ予防にもつながります。
シニア犬における栄養吸収と腸ケアの重要性
シニア期に入った犬もまた、涙やけの症状が出やすくなる時期です。これは加齢によって涙の排出機能や腸の働きが低下し、老廃物の処理が滞りやすくなることが原因です。また、免疫力の低下によって目の周りの炎症が起きやすくなり、涙の量が増えてしまうこともあります。
そのため、シニア犬向けの涙やけ対策では、消化吸収に優れた低カロリーかつ低脂肪のフードが基本となります。加えて、オメガ3脂肪酸や抗酸化成分を含んだ栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。
また、シニア犬では腸内フローラのバランスが崩れやすくなるため、乳酸菌や酵母、発酵野菜などを含むフードを選ぶと、腸の健康を保つうえで非常に効果的です。食欲が落ちてきた場合には、ウェットタイプや香りの強いものを活用しながら、無理なく必要な栄養を摂取できるよう工夫しましょう。
市販で選べる涙やけ対策フードの特徴
無添加・国産・グレインフリーの違いとは
市販されているドッグフードの中には、「涙やけ対策」や「無添加」「国産」「グレインフリー」などの表記があるものが多く見られます。これらの特徴は一見似ていますが、それぞれ意味が異なります。
まず「無添加」とは、化学合成された保存料・着色料・香料などの人工添加物を使用していないことを意味します。愛犬の体に優しく、アレルギーや涙やけの原因となる成分を避けたい場合に適しています。
「国産」は日本国内で製造されたフードを指します。日本の犬の食性に合わせたレシピや、新鮮な原材料を使用していることが多く、信頼性の高さから選ばれる傾向にあります。
「グレインフリー」は、小麦・とうもろこし・米などの穀類を一切使用していないフードです。穀物にアレルギーのある犬や、消化が苦手な犬に適しています。ただし、必ずしもすべての犬に必要なわけではなく、個体差を見極めたうえで選ぶことが大切です。
市販フード選定時のチェックポイント
市販されている涙やけ対策用のドッグフードを選ぶ際には、いくつかの重要なチェックポイントがあります。まず第一に、原材料表示をしっかり確認しましょう。原材料の最初に「鶏肉」「ラム」「サーモン」などの具体的な動物性たんぱく質が記載されているかどうかは、品質の良し悪しを判断するうえで非常に重要です。
また、「〇〇ミール」「副産物」「肉類」など曖昧な表記が多い製品は、原材料の質が不透明なことが多く、避けた方が無難です。人工着色料・保存料・香料といった添加物の有無も確認し、なるべく無添加または天然由来成分で構成されたものを選ぶようにしましょう。
さらに、アレルゲンとなりやすい成分(小麦・大豆・乳製品など)が使われていないか、穀物の使用が控えめかどうかも大切な判断基準です。商品パッケージに「グレインフリー」「グルテンフリー」「アレルゲン対策」などの記載がある場合は、体質に合わない成分を避けやすくなります。
その他にも、製造国や工場の衛生管理状況、第三者機関の検査結果など、信頼性に関わる情報も評価材料となります。インターネット上の口コミやレビューも参考になりますが、あくまで自分の愛犬に合っているかどうかを基準に選びましょう。
手作りドッグフードで涙やけを防ぐ方法
栄養バランスに基づいた自作レシピ
市販のドッグフードがどうしても合わない場合や、より自然な食事を提供したいと考える愛犬家さんには、手作りドッグフードも選択肢の一つです。ただし、手作り食で涙やけを改善するには、栄養バランスに十分配慮したレシピ作りが欠かせません。
基本の構成としては、「動物性たんぱく質(鶏肉・魚など)+野菜(にんじん・かぼちゃ・ブロッコリーなど)+炭水化物(さつまいも・玄米など)」をバランスよく組み合わせます。ここに乳酸菌入りのヨーグルトや納豆、すりごまなど腸内環境に良い食材を加えることで、涙やけ予防に効果的なメニューが完成します。
ビタミンやミネラルの過不足を避けるために、栄養補助のサプリメントを併用するのもおすすめです。また、レシピを毎日変えるのではなく、数パターンをローテーションすることで栄養の偏りを防ぐことができます。
使ってよい食材・避けるべき食材
手作りフードを作る際に使用できる安全な食材には、鶏ささみ、白身魚(タラ・サーモン)、かぼちゃ、にんじん、キャベツ、小松菜、ブロッコリー、さつまいも、玄米などがあります。これらは栄養豊富で消化にも優れており、涙やけ予防に適しています。
一方で、避けるべき食材も明確に知っておく必要があります。チョコレート、玉ねぎ、にんにく、ぶどう、レーズン、ネギ類、アボカド、香辛料などは犬にとって中毒性があるため、決して与えてはいけません。また、脂肪分の多い肉や加工食品、添加物を含む市販品の使用も避けましょう。
さらに、食材によってはアレルギー反応を引き起こすものもあるため、初めて与える食材は少量から始め、体調の変化を観察することが大切です。
手作りフードのメリット・デメリット
手作りフードには、原材料が明確であることや、愛犬の体質・好みに合わせて内容を調整できるという大きなメリットがあります。また、アレルゲンを排除したり、腸に優しい食材を積極的に使うことで、涙やけを含む体質改善が期待できます。
一方で、デメリットもあります。まず、栄養バランスを考慮するために愛犬家さんが食材や栄養学に関する知識を持っておく必要がある点、毎日の調理に手間がかかる点、そして長期的なコストが市販フードより高くなる可能性がある点などが挙げられます。
したがって、手作りフードを取り入れる場合には、信頼できる獣医師やペット栄養士に相談しながらレシピを作成・調整することが理想的です。市販フードとの併用や、週の一部を手作りに切り替える「ハイブリッド方式」もおすすめです。
涙やけ対策に向かないフードの特徴とは?
副産物・不明な肉類・香料の多用
ドッグフードの中には、価格を抑えるために品質の低い原材料を使用している製品も存在します。
特に「副産物」「肉副産物」「家禽ミール」「動物性油脂」といった曖昧な表記がされている原材料は、どの動物から由来するものか不明な場合が多く、信頼性に欠けるため注意が必要です。
これらの成分は消化吸収が悪く、腸内に老廃物を蓄積しやすくなるため、涙やけの原因となる可能性があります。また、酸化しやすい脂肪や古い原材料が使われていることもあり、体内の炎症を引き起こす原因になることもあります。
加えて、犬の嗜好性を高めるために使用される人工香料や風味増強剤なども注意が必要です。一見食いつきがよく感じられますが、体に不要な化学物質を摂取することになり、長期的に見ると涙の質や健康状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。原材料の記載が不明瞭なフードは、避けるのが無難です。
酸化防止剤・着色料など添加物の影響
涙やけの一因として見逃せないのが、人工添加物の存在です。特に、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)やBHT(ブチルヒドロキシトルエン)、エトキシキンといった化学的な酸化防止剤は、人間の食品では使用が制限されているものも含まれており、犬にとっても好ましくないとされています。
また、人工着色料(赤色○号、青色○号、黄色○号など)や保存料、甘味料なども、犬の体に必要のない成分です。これらの添加物は体内に蓄積されやすく、肝臓や腎臓に負担をかけるだけでなく、体質によってはアレルギーや皮膚トラブル、涙やけを引き起こす原因になりかねません。
無添加のドッグフードは一見地味で、食いつきが劣るように見えることもありますが、長期的な健康を考えると「何が入っているか」より「何が入っていないか」に注目することが大切です。できる限りナチュラルな製品を選び、体への負担を最小限に抑えることが、涙やけ対策には欠かせません。
消化しづらい炭水化物が多い構成
涙やけの原因として意外と見落とされがちなのが、フードに含まれる炭水化物の種類と量です。特に、トウモロコシや小麦、大豆などの穀物類は、犬の消化器官にとって負担がかかりやすい食材です。これらは血糖値を急上昇させたり、アレルギーを引き起こすリスクもあります。
また、これらの炭水化物は比較的安価で保存性が高いため、コスト重視のフードでは大量に使用されているケースが多いのが実情です。しかし、消化しづらい食材を大量に摂取することで、腸内にガスや老廃物が溜まりやすくなり、それが涙の質を悪化させ、結果として涙やけを助長してしまうことがあります。
炭水化物が悪いわけではありませんが、あくまで適量にとどめ、さつまいも、かぼちゃ、玄米などの消化に優れた素材を使用しているフードを選ぶことがポイントです。栄養の吸収効率を高め、腸内環境を整えることが、涙やけの予防と改善につながります。
ドッグフード以外の涙やけ対策法
毎日の目元ケアと拭き取り
涙やけ対策はフードだけでなく、日々のケアも非常に重要です。特に涙があふれやすい犬種の場合、毎日の目元の拭き取りを習慣づけることで、毛の変色や皮膚トラブルを防ぐことができます。
清潔なコットンやペット用の目元クリーナーを使い、目頭から目尻に向かってやさしく拭き取るのが基本です。人間用のウェットティッシュやアルコール入りのものは刺激が強いため、使用を避けてください。また、目の周りの毛を短く保つことで、涙が毛に染み込むのを防ぎ、衛生的な状態を保つことができます。
皮膚が弱い犬には、低刺激性で天然成分を使用したクリーナーを選ぶと安心です。日常的なケアを怠ると、涙やけが悪化するだけでなく、雑菌が繁殖して目の感染症につながるリスクもあるため、予防的な意味でも目元の清潔を保つことは大切です。
サプリメントで内側からのサポート
ドッグフードだけではカバーしきれない栄養素を補うために、サプリメントを活用する方法もあります。特に涙やけ対策には、腸内環境を整える成分や抗炎症作用のある栄養素を含んだサプリメントが効果的です。
具体的には、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を含む「プロバイオティクス」、その働きを助ける「プレバイオティクス(オリゴ糖など)」、炎症を抑える「オメガ3脂肪酸」、抗酸化作用を持つ「ビタミンC・E」「アスタキサンチン」などが代表的な成分です。
ただし、サプリメントはあくまで補助的な役割です。愛犬の体質や持病によっては合わない場合もあるため、導入前に獣医師へ相談するのが安心です。フードと併用しながら、無理のない範囲で体内から健康を整えることが涙やけ予防に役立ちます。
動物病院での相談ポイント(例:鼻涙管洗浄)
涙やけの原因が先天的な構造異常や慢性的な炎症に起因している場合、フードやサプリ、ケアだけでは改善が見込めないこともあります。そのようなケースでは、早めに動物病院での診断と治療を受けることが重要です。
特に、鼻涙管が詰まっている場合には「鼻涙管洗浄」という処置を行うことがあります。これは涙の通り道である鼻涙管に生理食塩水などを注入し、詰まりを解消する処置です。処置後に涙の排出がスムーズになると、涙やけの症状も大幅に改善することがあります。
その他にも、眼瞼内反症(逆さまつげ)などの構造的な問題が原因となっている場合には、外科的な治療が必要になることもあります。自己判断で対処し続けるのではなく、症状がひどい・長期化している場合には、獣医師による正確な診断を仰ぎましょう。
さらに「犬 涙やけ」の詳細を知りたい方はこちらの記事をご覧ください
まとめ:涙やけゼロを目指すフード&生活習慣
まずは原因を見極め、食事から整える
涙やけは単なる見た目の問題ではなく、体内環境や目の構造、栄養状態などさまざまな要因が絡み合って起こる症状です。そのため、まずは愛犬の涙やけの原因を冷静に見極め、食事を中心とした内側からのアプローチを見直すことが重要です。
高品質なたんぱく質、アレルゲン排除、腸内環境の整備、無添加設計など、ポイントを押さえたドッグフード選びによって、涙やけの改善が期待できます。さらに、年齢や犬種に応じた栄養バランスを取り入れることで、健康な涙の分泌が保たれ、再発予防にもつながります。
愛犬の個性に合わせた継続的ケアを
涙やけは一朝一夕で解決するものではなく、継続的な対策が求められます。ドッグフードの見直しに加え、毎日の目元ケア、適切なサプリメントの使用、必要に応じた動物病院での診察など、多方面からのアプローチを地道に続けていくことが大切です。
また、犬にも個体差があるため、あるフードで効果が出る犬もいれば、別の原因を抱えている場合もあります。焦らず、愛犬の様子を観察しながらその子に合った対策を探っていきましょう。愛犬家さんの愛情と正しい知識が、愛犬の健康と笑顔につながるのです。
よくあるQ&A:涙やけとドッグフードに関する疑問
Q1.涙やけにすぐ効くフードは存在するのか?
A.「すぐに涙やけを改善できるフードが欲しい」というご相談は非常に多いのですが、結論から言うと、「即効性のある万能なフード」は存在しません。涙やけは犬の体質や生活環境、食事の内容などが複雑に関係しているため、1種類のフードですべての犬に短期間で効果が出るわけではないのです。
改善までの期間は個体差がありますが、一般的にはフードを切り替えてから**1〜3か月ほど継続して様子を見る**ことが大切です。腸内環境や代謝の変化には時間がかかるため、最低でも1袋使い切るまでは継続し、変化を観察していくようにしましょう。
また、食事だけでなく、目元ケアや生活環境の見直しも併せて行うことで、改善スピードが上がる場合もあります。焦らず、長期的な視点で取り組むことが成功のカギです。
Q2.グレインフリーは本当に効果がある?
A.「グレインフリー(穀物不使用)にすると涙やけが治る」という情報を耳にする方も多いですが、これは一部の犬にとっては有効な選択である一方、すべての犬に当てはまるわけではありません。
穀物の中には、アレルゲンとして働くもの(小麦やとうもろこしなど)もあるため、アレルギー体質の犬にはグレインフリーが有効なケースがあります。しかし、玄米やオートミールなどの消化に良い穀物であれば、必ずしも避ける必要はないとも言われています。
重要なのは、愛犬の体質や腸内の反応を見ながら、適切なフードを選ぶことです。グレインフリーにこだわるよりも、「消化に良く、アレルゲンが少ない食材を使用しているか」に注目した方が、涙やけの改善につながりやすいです。
Q3.サプリとドッグフードの併用はOK?
A.はい、基本的にサプリメントとドッグフードの併用は可能です。ただし、すでに栄養バランスが整っている高品質なフードを与えている場合、過剰摂取にならないよう成分の重複に注意が必要です。
たとえば、オメガ3脂肪酸や乳酸菌など、涙やけ対策によく使われる成分がサプリとフードの両方に含まれている場合、それぞれの摂取量を調整しないと過剰摂取になる可能性があります。場合によっては下痢や嘔吐などの症状が出ることもあるため、慎重に管理する必要があります。
サプリメントを併用する際には、獣医師やペット栄養士に相談し、愛犬の体重や体調、フードの内容に応じた適量を見極めることをおすすめします。また、新しいサプリを取り入れる際には、最初は少量からスタートし、体調に変化がないかをしっかり確認しましょう。
Q4.涙やけが再発することはある?
A.はい、一度改善した涙やけが再発することは十分にあり得ます。たとえば、環境の変化や季節的なアレルゲンの増加、食事の変更、加齢による体質の変化などがきっかけになることがあります。
また、せっかく改善したフードをやめて元の食事に戻してしまったことで、症状が再発するケースもよく見られます。涙やけが改善された後も、その状態をキープするためには、継続した食事管理とケアが必要です。
再発を防ぐには、改善した原因と行った対策を記録に残しておくとよいでしょう。何が効果的だったのかを明確にしておくことで、再び同じ対策を迅速に講じることができます。
Q5.涙やけに効果的な食材や成分は?
A.涙やけに良いとされている代表的な食材や成分には以下のようなものがあります:
- 動物性たんぱく質:消化が良く、栄養価が高いため体への負担が少ない(鶏肉、サーモンなど)
- オメガ3脂肪酸:抗炎症作用があり、目元の炎症や涙の質の改善に役立つ(亜麻仁油、サーモンオイルなど)
- 乳酸菌・オリゴ糖:腸内環境を整えることで体内の老廃物の排出を促進
- ビタミンC・E:抗酸化作用により老廃物の蓄積を防ぐ
- モリンガや青パパイヤ:酵素や抗酸化成分が豊富で、消化を助ける
これらの成分がバランスよく含まれているドッグフードやサプリメントを選ぶことが、涙やけの改善に役立ちます。ただし、個体差があるため、あくまで参考にしつつ、愛犬に合ったものを見つけることが大切です。
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