犬の誤飲による症状一覧と対処法|知らないと命に関わる危険な兆候とは
愛犬が誤って異物を飲み込んでしまった…。そんな時に慌てないために、本記事では誤飲による代表的な症状から、タイプ別のリスク、正しい応急処置、動物病院での検査・治療、さらには予防法や費用・保険の現実までを網羅的に解説します。実例としつけのポイントも掲載しており、初めての方にも安心して読める内容です。愛犬の命を守るため、今すぐチェックしておきましょう。
- 犬が異物を誤飲したかも?まずチェックすべき症状と行動
- よくある誤飲物とその危険性ランキング
- 誤飲物のタイプ別にみるリスクと症状
- 愛犬の誤飲が疑われるときのチェックリスト
- やってはいけない対処法と正しい応急対応
- 動物病院での検査・処置とその流れ
- 誤飲時の治療費・保険適用の現実
- 誤飲を未然に防ぐための家庭対策
- 散歩中の拾い食い対策としつけ
- 年齢・犬種別に見る誤飲リスクの違い
- 誤飲事故から学ぶ実例と教訓
- まとめ|愛犬の命を守るために今できること
犬が異物を誤飲したかも?まずチェックすべき症状と行動
誤飲の初期症状:嘔吐・よだれ・落ち着かないなど
大切な家族である愛犬が、目を離したすきに何かを飲み込んでしまったかもしれない。そんなとき、飼い主として最も気になるのが「どんな症状が出るのか?」という点ではないでしょうか。
犬の誤飲により見られる初期症状の代表例として、嘔吐、よだれが増える、落ち着きのなさなどが挙げられます。異物を飲み込んだ直後は、体が異物を排除しようとして嘔吐反射が起きたり、不快感から落ち着きを失ったりすることがあります。
特に、犬が普段しないような行動――たとえば口を頻繁に舐める、床を掘るような仕草をする、ソワソワと歩き回る――などが見られた場合には注意が必要です。こうした兆候は、異物が体内で悪さをしている初期サインかもしれません。
また、誤飲した異物が喉に詰まった場合には咳込むような動作や、口を開けて「オエッ」とする仕草を見せることもあります。これらは食道閉塞の恐れもあるため、早めの対応が求められます。
時間が経過してから現れる危険な兆候
誤飲してからしばらくの間、特に症状が見られないこともあります。しかしそれが安心材料になるとは限りません。時間が経ってから症状が現れるケースは決して少なくありません。
誤飲後しばらくしてから見られる症状には、食欲不振、下痢、便秘、血便、元気消失、ぐったりするなどがあります。これらは、異物が胃や腸に留まって炎症を引き起こしていたり、腸閉塞を起こしているサインです。
また、お腹を触ると痛がる、背中を丸めている、横になることを嫌がる、といった姿勢の変化も見逃せません。これらは腹部の違和感や痛みを訴えているサインと考えられます。
中には誤飲から数日後に急激な症状の悪化を見せるケースもあるため、「最初は元気だったから大丈夫」と放置せず、注意深く観察することが大切です。
誤飲しても無症状なケースと見逃しリスク
意外かもしれませんが、犬が異物を誤飲した場合でも全く症状が出ないことがあります。特に小さな異物や、一時的に胃に留まって刺激を与えていない物質などでは、犬が普段通り元気にしていることもあります。
しかし、ここで油断してはいけません。異物が体内に留まったまま移動し、数日後に腸閉塞や中毒を引き起こすことも珍しくないからです。例えば、糸やひも、ビニール袋などは、最初は胃に留まっていても、やがて腸へ移動して詰まりの原因になります。
さらに厄介なのが、誤飲に気づかないケースです。犬がこっそりと異物を飲み込んでいた場合、部屋の中に何かがなくなっていることに気づいて初めて「もしかして?」となることがあります。
このように、無症状や気づきにくいケースがあるからこそ、日頃からのチェック体制が重要です。特に、留守番明けや散歩後など、誤飲のリスクが高い時間帯には愛犬の様子をじっくり観察する習慣を持つことが推奨されます。
行動パターンから異変に気づくポイント
誤飲後の異変は、体の症状だけでなく、日常の行動パターンの変化からも察知できます。例えば、次のような変化があれば、誤飲の可能性を疑ってみるべきでしょう。
突然ケージの中で暴れたり、普段と違う場所で寝ている
食欲はあるのに食べようとしない(喉が痛い、異物が詰まっている可能性)
散歩中にしゃがみ込んで動かない
おもちゃをくわえたまま離そうとしない
特に注意したいのが、「くわえていたおもちゃや物が突然見当たらなくなる」というパターンです。小さなおもちゃやビニール製のボール、ティッシュや靴下などは、気づかぬうちに丸呑みされている可能性があります。
こうした**些細な変化に気づけるかどうかが、早期発見・早期治療に大きく関わってきます。**日々の観察が何よりも重要だといえるでしょう。
よくある誤飲物とその危険性ランキング
犬が誤って口にしてしまう物には、私たちの身の回りにある意外なものが多く含まれます。ここでは、実際に動物病院の現場で多く報告されている誤飲物の種類別に、その危険性をランキング形式で解説します。
おもちゃ・ボタンなど飲み込みやすい物
犬にとって、カラフルなおもちゃや転がる小物は、遊び道具であると同時に「獲物のような存在」です。特に柔らかいゴム製ボール、ぬいぐるみの一部、スーパーボール、プラスチック製の部品、ボタン、ヘアゴムなどは、噛んでいるうちにそのまま飲み込んでしまう危険性があります。
誤飲した際のリスクとしては、食道閉塞、胃内滞留、小腸での腸閉塞が挙げられます。異物が小さければ排泄されることもありますが、そうでない場合は手術を要するケースも少なくありません。
特に注意したいのは、「知らぬ間に無くなっている」「元気がないのに嘔吐がない」といった微妙な変化です。誤飲の発見が遅れれば遅れるほど、腸管の壊しや敗血症のリスクが高まります。
チョコやタバコなど中毒を起こす食べ物・薬
犬にとって中毒を起こす物質は、人間にとっては身近で安全に思えるものが多いのが特徴です。代表的な例として以下のようなものがあります。
チョコレート・ココア:テオブロミン中毒。興奮、嘔吐、心拍数増加、けいれんなど。
タバコ・吸い殻:ニコチン中毒。よだれ、震え、痙攣、呼吸不全。
カフェイン飲料・錠剤:中枢神経の過剰興奮、けいれん、命を落とす可能性も。
人間用の鎮痛剤・睡眠薬:肝臓障害、神経症状、昏睡。
玉ねぎ・ネギ類・ニンニク:赤血球を破壊し、貧血や尿の色の変化。
これらの物質を誤って口にすると、短時間で重篤な中毒症状を引き起こすことがあり、緊急対応が必要です。
特にタバコや薬の誤飲は、小型犬であればほんの数mgの摂取で命に関わることがあるため、「量が少ないから大丈夫」と油断せず、すぐに獣医師に相談しましょう。
電池・乾燥剤・漂白剤など家庭内の危険物
家庭内にある日用品の中にも、犬の命を脅かす危険な物が潜んでいます。以下に、よくある誤飲例を示します。
ボタン電池・乾電池:電解液による消化管の損傷。消化器に穴が開く可能性も。
乾燥剤(特に生石灰や塩化カルシウム):水と反応して高温を発し、口腔や消化管に火傷を負わせることがあります。
漂白剤・洗剤:腐食性。口内や食道、胃の粘膜を傷つけることで出血や穿孔の危険あり。
除湿剤・防虫剤・使い捨てカイロ:成分によっては中毒を引き起こすケースも。
こうした物質は、無臭・無味でも犬が興味本位で口にしてしまうことが多く、飼い主が気づいたときにはすでに体内に取り込まれていることもあります。
誤飲が判明した場合は、絶対に自己判断で吐かせたりせず、すぐに動物病院に連絡しましょう。誤った応急処置が逆効果になる場合もあるため注意が必要です。
誤飲物のタイプ別にみるリスクと症状
糸・ヒモ状物による腸閉塞の危険
犬がよく誤飲する異物の中でも、特に危険度が高いのが糸やヒモ状のものです。これらの異物は、胃や腸の一部に引っかかることで「腸管が引き寄せられ、アコーディオンのようにたわんでしまう状態」を引き起こします。これを線状異物による腸閉塞と呼びます。
典型的な症状には以下のようなものがあります:
繰り返す嘔吐
激しい腹痛(腹部を触ると嫌がる)
食欲不振
排便の停止または下痢
お腹がふくれる
ぐったりして元気がない
特に「糸が舌の裏に絡まっているケース」もあり、その場合は口を開けて確認することが重要ですが、絶対に糸を無理に引っ張ってはいけません。腸にまで伸びて絡んでいることがあり、引っ張ると腸管を傷つけてしまいます。
このような状態は、自然排出がほぼ望めないため、内視鏡あるいは開腹手術が必要になることが多いです。
尖った物(串、ピン)の穿孔と内臓損傷
焼き鳥の串、画びょう、ヘアピン、ネジ、針など、尖った異物は物理的な破壊力が強く、消化管を傷つけるリスクが極めて高いです。こういった異物は、誤って飲み込んだ際に以下のような深刻な事態を引き起こす可能性があります。
食道や胃の壁を突き破り「穿孔(せんこう)」を起こす
穿孔によって消化液が漏れ、腹膜炎になる
肝臓や肺など、消化管外の臓器にも損傷が広がる
このようなケースでは、症状が急激に進行することがあり、「昨日まで元気だったのに、急にぐったりして意識がない」という事態も起こり得ます。
また、X線で異物が確認できないケースもあるため、疑わしい場合は超音波やCT検査などの高度画像診断が必要になることもあります。
獣医師の間では、「串と針は手術を前提に考えるべき異物」とも言われており、誤飲の中でも最も危険なカテゴリの一つです。
薬・タバコなどの中毒と命を落とすリスク
物理的な詰まりを引き起こすタイプとは異なり、薬品や化学物質の誤飲は、体内に吸収されることで全身に影響を与える中毒型のリスクを持っています。特に以下のような物質は要注意です。
人間の薬(特に鎮痛剤・睡眠薬・抗うつ薬)
タバコやニコチンガム
除草剤や農薬を使用した植物
エチレングリコール入りの保冷剤や不凍液
これらを誤飲した場合、数分~数時間以内に以下のような急性症状が現れることがあります:
けいれん
呼吸困難
意識の消失
震えや異常な行動
よだれや泡を吹く
このような症状は、一刻を争う緊急事態です。場合によっては中毒性ショックを起こし、短時間で命を落とすこともあります。
誤飲した物のパッケージや成分がわかる場合は、すぐにそれを持って動物病院に向かいましょう。早期に催吐処置や活性炭投与、点滴による排毒などを行うことで、症状を抑えることが可能な場合もあります。
愛犬の誤飲が疑われるときのチェックリスト
部屋や食べ残しから異変を見つける
愛犬が何かを誤飲したかもしれないと感じたときは、まず冷静に周囲を観察することが大切です。部屋の様子やいつもと違う点をチェックして、異物の誤飲があったかどうかを確認しましょう。
特に確認すべきポイントは次の通りです:
おもちゃや日用品が壊れていないか
キッチンやテーブルの上の物が落ちていないか
観葉植物の葉や茎がかじられていないか
床にあったタバコや薬、ガムなどが消えていないか
愛犬の食器やベッドの近くに異物の残骸がないか
また、ティッシュや靴下、ビニール袋などの柔らかい物は、飲み込んだ痕跡が残らないことも多いため注意が必要です。食べ残しや欠けたものが見つかれば、病院での診断にも役立ちます。
排泄物チェックと記録の取り方
異物が自然に排出されるかどうかを判断するには、排泄物のチェックが欠かせません。誤飲の後は、うんちの状態や頻度、量をしっかり確認しましょう。
確認すべきポイント:
便の中に異物が混ざっていないか
血が混ざっていないか(血便)
下痢や便秘が続いていないか
うんちの回数がいつもより少なくないか
誤飲物が透明や白いプラスチック、薄いヒモなどの場合、見落としやすいため、便をビニール袋に入れて分解するなどの工夫が必要です。
また、体調の変化や嘔吐の回数なども日付と時間ごとに記録しておくと、診察時に非常に有効です。スマートフォンのメモやカメラを活用すると便利でしょう。
動物病院へ行く前に確認すべきこと
「すぐに病院に行ったほうがいいのか、それとも様子を見るべきか」――迷ったときは、以下のチェックポイントに照らして判断するのが有効です。
犬がぐったりしている・震えている
激しく嘔吐している、または何度も吐こうとしている
異物のサイズが大きい or 尖っている
誤飲した物に中毒の可能性がある(チョコ、薬、タバコなど)
便が出ていない・お腹が膨らんでいる
これらのサインが見られる場合、緊急性が高い可能性があるため、迷わず動物病院に連絡してください。
病院に行く際は、次のようなものを持参するとスムーズな対応が可能です:
誤飲した可能性のある物や、その写真
排泄物や吐しゃ物(ジップ袋などに入れて)
食べた時間とその後の様子のメモ
愛犬の体重や持病・薬歴がわかる記録
万が一、夜間や休日でかかりつけが対応できない場合に備えて、あらかじめ夜間救急の病院をリストアップしておくと安心です。
やってはいけない対処法と正しい応急対応
牛乳・食塩・吐かせる処置は危険
昔から「犬が何かを食べたら牛乳を飲ませるといい」「食塩水で吐かせよう」などといった民間療法が語られることがありますが、これらの行為は非常に危険であり、かえって状態を悪化させる可能性があります。
とくに注意すべき誤った応急処置:
食塩水で吐かせる:ナトリウム中毒のリスクがあり、命に関わる可能性があります。
牛乳やオキシドールを与える:胃や食道に炎症を起こす恐れがあります。
誤飲物を口から引き出す:糸やヒモは内部で絡んでいる場合があり、引っ張ると腸を裂くこともあります。
犬の体内の構造は非常に繊細で、素人判断での応急処置は禁物です。誤飲が疑われる際には、まず動物病院へ連絡し、獣医師の指示を仰ぐことが最善の対応です。
獣医師の指示を仰ぐまでの正しい行動
適切な対応とは、誤飲の事実と症状の有無を冷静に確認し、すぐに獣医師に連絡して行動することです。電話での相談時には、以下の情報を正確に伝えましょう。
犬の年齢・体重・犬種
誤飲したと考えられる物とその種類・大きさ
飲み込んだ時間とその後の症状
排便・嘔吐の有無と内容
現在の様子(元気がない、震えている等)
このような情報があることで、動物病院側も処置の優先順位を正しく判断し、迅速に対応ができるようになります。
動物病院での検査・処置とその流れ
動物病院での誤飲対応は、異物の種類、位置、犬の症状に応じて柔軟かつ迅速に進められます。以下は一般的な流れです。
検査方法
触診・聴診:お腹の張りや痛みを確認。
X線検査:異物の存在や位置、腸の詰まりを画像で確認。
超音波検査:金属以外の柔らかい異物や炎症の有無をチェック。
内視鏡検査:胃や食道内の異物を直接観察。
中毒が疑われる場合は血液検査も実施され、肝臓や腎臓への影響を確認します。
処置方法
催吐処置:誤飲から時間が経っておらず、吐かせても安全な場合に実施。
内視鏡での摘出:胃や食道にある異物が対象。身体への負担が少ない。
開腹手術:腸閉塞や穿孔、内視鏡で除去できない場合に実施。
中毒処置:活性炭の投与、点滴、抗けいれん薬の投与などを行います。
処置は犬の状態次第で命に関わる判断となるため、飼い主の迅速な行動が何より重要です。
誤飲時の治療費・保険適用の現実
の誤飲治療は、処置内容により費用が大きく異なります。以下は参考事例です。
軽度の通院(催吐+点滴):10,000〜20,000円
内視鏡による摘出:30,000〜60,000円
開腹手術+入院5〜7日:150,000〜300,000円以上
中毒治療(入院+点滴+投薬):50,000〜100,000円
動物病院によって価格差はありますが、手術や入院が必要な場合、経済的負担はかなり大きくなることがわかります。
そのため、ペット保険への加入が誤飲時に非常に有効です。プランによっては、手術費や入院費の70%〜100%をカバーするものもあります。
保険を選ぶ際は、以下を確認しましょう:
誤飲・誤食による治療がカバーされるか
年齢制限や待機期間があるか
通院・入院・手術の補償上限と自己負担割合
事前に備えることで、愛犬の命を守る選択肢を増やすことができます。
誤飲を未然に防ぐための家庭対策
誤飲は予防が何よりも重要です。家庭内では、以下のような対策を取り入れましょう。
室内環境の見直し
犬の届く範囲に小物を置かない
ゴミ箱はフタ付きにする、台所は立ち入り禁止に
電池や薬などは高い場所または鍵付きの収納へ
犬のおもちゃの選び方
丸呑みできない大きさの物を選ぶ
壊れやすい素材(薄いゴムや発泡素材)は避ける
遊んだ後は片付けておく習慣をつける
留守番中の安全対策
ケージやサークルで過ごさせる
ペットカメラで監視して異変を確認
いたずら防止のためのしつけを事前に行う
「予防=事故ゼロ」ではありませんが、誤飲リスクを大きく減らすことは可能です。
散歩中の拾い食い対策としつけ
動物病院での誤飲対応は、異物の種類、位置、犬の症状に応じて柔軟かつ迅速に進められます。以下は一般的な流れです。
検査方法
触診・聴診:お腹の張りや痛みを確認。
X線検査:異物の存在や位置、腸の詰まりを画像で確認。
超音波検査:金属以外の柔らかい異物や炎症の有無をチェック。
内視鏡検査:胃や食道内の異物を直接観察。
中毒が疑われる場合は血液検査も実施され、肝臓や腎臓への影響を確認します。
処置方法
催吐処置:誤飲から時間が経っておらず、吐かせても安全な場合に実施。
内視鏡での摘出:胃や食道にある異物が対象。身体への負担が少ない。
開腹手術:腸閉塞や穿孔、内視鏡で除去できない場合に実施。
中毒処置:活性炭の投与、点滴、抗けいれん薬の投与などを行います。
処置は犬の状態次第で命に関わる判断となるため、飼い主の迅速な行動が何より重要です。
誤飲時の治療費・保険適用の現実
犬の誤飲治療は、処置内容により費用が大きく異なります。以下は参考事例です。
軽度の通院(催吐+点滴):10,000〜20,000円
内視鏡による摘出:30,000〜60,000円
開腹手術+入院5〜7日:150,000〜300,000円以上
中毒治療(入院+点滴+投薬):50,000〜100,000円
動物病院によって価格差はありますが、手術や入院が必要な場合、経済的負担はかなり大きくなることがわかります。
そのため、ペット保険への加入が誤飲時に非常に有効です。プランによっては、手術費や入院費の70%〜100%をカバーするものもあります。
保険を選ぶ際は、以下を確認しましょう:
誤飲・誤食による治療がカバーされるか
年齢制限や待機期間があるか
通院・入院・手術の補償上限と自己負担割合
事前に備えることで、愛犬の命を守る選択肢を増やすことができます。
年齢・犬種別に見る誤飲リスクの違い
子犬
何でも口にする習性があるため、誤飲事故が非常に多い
歯の生え変わり時期は特に注意(何でも噛みたがる)
老犬
判断力や視力の低下により、誤って異物を口にすることがある
食欲不振や胃腸の弱りで誤飲後のダメージが大きくなる
小型犬・大型犬
小型犬:小さな異物でも命に関わるリスクが高い
大型犬:誤飲するサイズの物も大きく、胃腸への負担が重い
また、柴犬、トイプードル、ダックスフンドなどは拾い食いやいたずらが多い犬種としても知られています。犬種の特性も考慮した生活設計が求められます。
誤飲事故から学ぶ実例と教訓
ケース①:ボールの丸呑みで緊急手術
3歳のフレンチブルドッグが小さなテニスボールを丸呑み。最初は元気だったが、翌日から嘔吐と便秘が続き、腸閉塞で緊急手術となりました。病院に連れて行くタイミングが1日でも遅ければ命に関わっていたとのことです。
ケース②:睡眠薬の誤飲で中毒症状
飼い主の薬をテーブルから落としてしまい、それを犬が飲み込んでしまったケース。飲み込んだ量が分からなかったものの、すぐに病院へ駆け込んだことで解毒処置が間に合い、命が助かりました。
ケース③:保険のおかげで救えた命
誤飲が原因で内視鏡除去+2日入院。治療費は約15万円でしたが、ペット保険に加入していたため自己負担は3万円以下で済み、経済的にも安心できたという体験談も。
これらの事例からも、早期発見・早期対応と、日頃からの備えがいかに重要かが分かります。
まとめ|愛犬の命を守るために今できること
犬の誤飲は、どの家庭でも起こり得る身近で深刻なリスクです。しかし、飼い主のちょっとした意識と行動で、未然に防ぐことも、早期に救うことも可能です。
今日からできる誤飲予防の習慣
室内に危険物を放置しない
散歩中の拾い食いを防ぐしつけをする
留守番中の環境を整える
冷静な対応が命を救う理由
症状を見逃さない
誤った応急処置をしない
病院にすぐ連絡し、適切な行動をとる
飼い主としての備えと心構え
愛犬の癖や性格を把握する
ペット保険に加入するなど経済的な準備をする
万が一のときの連絡先や緊急病院を調べておく
愛犬の健康と安全を守れるのは、ほかでもない飼い主のあなたです。
ぜひ、今日からできる一歩を踏み出してください。
ドッグスペシャリストナビ編集部は、誤飲事故を防ぐための啓発と専門家ネットワークを通じて愛犬の健康を守る情報を発信しています。